「アトリエ・ゆう」と「ゆうの樹」を
どうぞよろしくお願いします。
大変遅れてのご挨拶になりますが、どうか今年もよろしくお願いします。
気候的には穏やかなお正月でしたが、内外共に大変なことが多く、心か
ら喜べない感じがしましたが、皆さんはいかがでしょうか?
これでは子ども達の未来はどうなるのかと不安がよぎりますが、だから
こそ今の状況を考えて行かなければならないと改めて思う新年でもあり
ました。
そんな時、長年そのままにしている写真を少し整理しました。懐かしい
写真が次々に出てきて、整理どころではなくなりました。その頃、アトリエ・
ゆうに来ていた子どもたちは今どうしているのかと思いながら・・・。
アトリエ・ゆうも今年33年目になります。不登校の児童生徒は16万人と
相変わらず増えています。最近小中学生の親御さんから、メールや見学の
問い合わせがありますが、その親御さんや子ども同士がつながるには時間
がかかりますね。
朗報ですが、昨年2019年「ぷらっとほーむ~さいたま不登校ネット
ワーク~」(代表・加藤文子)が立ち上がりました。これから、情報誌
の発行もするとお聞きしていますので、不登校の子どもや親御さんには
心強いと思います。
一方、国の動きですが、不登校新聞からの情報です。昨年10月文科省
が不登校対応として「不登校支援の基本的な考え方」を全国の小中学
校に向けて通知しました。その中に「学校復帰に捉われず、児童生徒が
自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指す必要がある」
とあります。このことが学校や現場の先生方にもきちんと伝わるよう、風穴
を開けていただきたいと切に願います。
そこで思うことですが、教育研究者の大田 堯先生(2018年12月に
亡くなる)は「学校だけが学びの場ではない」「一人ひとり違う、ユニークな
個性を持って生まれてくる、それを引き出すのが教育である、だから束に
して同じ方向に向けることは教育には馴染まない」ことなどあらゆる機会に
言われていました。そのことも含めて、映画「かすかな光へ」の中には
いのちを第1に身近なところから、生きることへの希望を読み取って欲しい、
との願いが込められているように思います。何度見てもそこから得られる
ヒントがある映画です。また機会をつくり数人でも見て話し合いたいと思い
ます。希望があればDVDを借りることができますので、本居(048-624-
0188)までどうぞ。
アトリエ・ゆうは不登校・引きこもりの居場所として、今年も態勢を変え
ることなく、誰でもが気軽に集える居場所として続けて行きたいと思います。
スタッフ一同、お待ちしています。
NPO法人ゆうの樹は精神障害の方の支援事業として、仲間の皆さんと、
コスタリカコーヒーの製造販売、古書販売、水耕栽培、喫茶店などを継続して
いきます。理事長の細谷浩司さんは2月にコスタリカに行く予定とお聞きして
います。お土産話が楽しみですね。
アトリエ・ゆうもゆうの樹も多くの方々の協力があればこそ、続けていられる
ことは本当に有難いです。アトリエ・ゆうの活動資金は会費、支援会費、寄付
と年2回の蚤の市、コーヒー、乾燥こんにゃく、市田干し柿の販売などです。
これからもどうぞ、よろしくお願いいたします。
昨年12月4日、大変衝撃的なことが報道されました。ペシャワール会の
中村 哲さんがアフガニスタンで何者かに銃撃されお亡くなりになったのです。
こんなことがあっていいのか、と本当に残念で残念でなりません。
1月25日(土)浦和コミセンにて「中村 哲医師を追悼する集い」が開催
され、参加させていただきました。定員を超える方が集まり、黙禱をして中村さん
の偉業、空爆や干ばつで砂漠化したアフガニスタンの土地を7年かけてマルワ
リード農業用水路を造られたドキュメント映画が上映されました。医師である
中村さんが土木の仕事をされる訳ですから、それも製図から現場までを。そして
日本の昔からのやり方、筑後川での工法が使われたとのこと。それが今後の
修理にも現地の方が修理できる方法だからと。日本から若者もワーカーとして
仕事に従事しましたが、現地の方も期待を胸に次々に手伝う人が増えて、いよ
いよ通水の時を迎えるのです。そして用水沿いに柳の木が植えられ、砂漠が
生きた土地に生まれ変わったのです。全長27Km、16500ヘクタールの農地
が出来、65万人の生活が確保されたということです。また、ナツメヤシなどの
植樹が100万本を超えたとのこと、何と凄いことです。まだまだ、中村さんの
軌跡をたどれば、書ききれない功績が一杯あります。
ペシャワール会会長の村上 優さんの言葉を借りれば、農業用水路を造る
理由として人々の命を助けるために必要だからと。人を理解する深い洞察力を
源泉として、分かりやすい言葉でいつも語られ、それを黙々と実践してゆかれ、
井戸を掘り、用水路や堰を造り大地を緑に蘇らせた、と。
心から感謝してご冥福をお祈り致します。
(本居 麗子)